英国ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女(Sleeping Beauty)」

全公演sold outの英国ロイヤル・バレエの古典の名作「眠れる森の美女」、見てきました! 夢のような至福のひと時、圧巻でした。

この作品の主役のオーロラ姫は難役中の難役なのだと思います。チャイコフスキーバレエ音楽は、いつ聞いても煽情的で情熱にあふれ、理屈なしで感動してしまいます。

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今回主役を踊ったのはバレエ団トップダンサーのNatalia Osipova。彼女は秋に比較的モダンな要素のあるアナスタシアの舞台で見ましたが、やはり今回の古典作品での風格と優美さと可憐さに満ちた美しさは比類のないものでした。難易度の高い見せ場も圧倒的な技術で完璧。たおやかで柔らかい表現力。本当に夢心地、うっとりです。

この作品は、王家の祝賀の場面が舞台も衣装もとても豪華。物語のストーリーテリングは、言葉に代わって表情や指、手、腕、上半身の動きで表現されますが、体をしなやかに使い、豊かに伝わってくるのですね。こんな風に表現できたら、日常生活も楽しいだろうな。。。

王子役は日本人プリンシパルの平野さんでした。すらりと長身でダンスもダイナミック。堂々たる舞台姿でした。

バレエというのは、ある意味西洋的な価値観であるギリシャ・ローマ時代や、ルネサンス時代に尊ばれた美としての人間の肉体を、見せる芸術として昇華したものなのかな、等と感じました。その意味では、日本人はどうしてもややハンディはあるのかもしれません。

おまけですが、バレエ上演の日のオペラハウスの場内は、ひときわ観客も華やいでいるように思います。鮮やかな色や、シックなドレスを着こなしたマダム達。前回も見かけましたが、バレエ関係者らしきの女性4人が、仲良く来場している様子。正装の男性。おとぎ話の世界を楽しむ夜にふさわしい光景なんでしょうね。

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