ミュンヘン国立歌劇場 〜 ビゼー「カルメン」

バイエルン国立歌劇場で初めてのオペラ観劇、大人気演目のカルメン。素晴らしい公演でした。

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歴史と由緒あるオペラハウス、歴代の音楽監督錚々たること、リヒャルト・シュトラウスハンス・クナッパーツブッシュ、他多数。またあの優雅で茶目っ気のあるカルロス・クライバーも常連だったそうです。

チケットは数週間前になんとか最後の立見席(なんと10ユーロ)を確保していたのですが、出張で足を痛めて無理かなあと諦めかけていたら、当日座れる席が買えました。良かった~。

初めてオペラを見る時のお勧めは、何と言ってもこのビゼーカルメンです。最初から最後まで、知らず知らずのうちに聞いて知っている曲や歌が多くて親しめるのと、悪い女に惚れ込んでどうしようもなくなっていくちょっと真面目な男性の話という筋がわかりやすいこと(感情移入も?)。スペインを舞台にラテンの自由と情熱感に溢れて、カルメンが女性の魅力をこれでもかと身のこなしから歌、演技と最大に見せます。また闘牛士エスカミーリョはその対極で、気障というかカッコいいとかを通り越してありえない程に男!を強調してます。このあらゆる刺激の強さが、良いんですよねー。

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今回一番の拍手は、主役カルメンを歌ったメゾソプラノの Gaelle Arquezでした。容姿も美しく、セクシーな仕種やダンス、表情豊か。何より歌が最高でした。深くしっかりしっとりした声で、強弱のニュアンスも透明感もあったうえに、艶っぽい。うっとり聞き惚れました。

カルメンと対象的に清楚で素朴なミカエラ役のソプラノ、Christina Pasaroiuも良かったです。私はとにかく1幕の手紙の二重唱が大好きなのですが、生で聴いて、美しいメロディラインとハーモニー、歌詞の温かさに感動で涙してしまいました。

舞台は奥行きあり広く、セビリアのタバコ工場や、ジプシーが潜む山々、闘牛場の風景等、比較的古典的なリアルで写実的に作られた贅沢な演出でした。衣装も手が込んでいる。NYのMETを思い出しました。

オペラハウスの様子も明るいサーモンピンクの色調で素敵。お客さん達はそれぞれドレスアップして、みんな笑顔で音楽に包まれる時間を楽しんでいました。ミュンヘンではオペラが愛されているんですね。素敵なことですね〜。

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